「春の使者」と呼ばれるふきのとう。春の山菜の代表格ともいえる食材ですよね。
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ふきのとうは独特の香りとほろ苦さが楽しめる山菜ですが、同時にあくやえぐみも強い食材なので、天ぷらやふき味噌などの調理前にあく抜きは必須です。
最近は「食材の栄養をこぼさないよう」に、「時短のために」と、あく抜きをしない調理方法が紹介されがちですが、ふきの中には「ピロリジジンアルカロイド」と言われる天然毒が含まれています。ふき自体、季節性の高い食材で短期間しか食べないことや、苦味が強いことから大量に食することが少ないので、今までふきのとうによる健康被害の報告は無いようですが、ピロリジジンアルカロイドは肝毒性や発がん性が知られているので、出来るだけ取り除いてから摂取したほうが良いと思います。
自然のままを堪能するのも良いですが、やはり一番は「安全に美味しく頂く」が重要ですね。
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自然毒が知られる以前から昔の人はえぐみを減らすために、ふきのとうをあく抜きして食べていました。
ピロリジジンアルカロイドは熱に強いため加熱しても壊れないのですが、水に溶けやすいためあく抜きの工程でかなりの量を減らすことができます。
あくとともに毒も自然に抜けていく…先人の知恵って素晴らしいですね。
ふきのとうのあく抜き方法
- ふきのとうの切り口が茶色く変色している場合は切り落とす。茶色や紫色に変色した外葉は取り除き流水で洗う。
- 1%程度の食塩を加えたたっぷりのお湯で3~4分程度茹でる。
- ザルにあげ、たっぷりの水にさらし、ときどき水を替えながら室温に2時間以上置く。
ポイント
- ふきのあく抜きは切り刻んでからでも良いですが、つぼみの形のまま行った方が、天ぷらやおひたしなど、様々な調理に使えますのでおすすめです。
- 水にさらす時間は長いほど良いです。最低でも2時間さらすとピロリジジンアルカロイドは半分以下に、丸1日さらすと1/3程度まで減らすことが可能です。
- 苦味を減らしたい場合は、食塩の代わりに重曹を加えても良いです。この場合は水に対して0.3%程度の重曹を加えてください。
※この記事は農林水産省HP「食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報」をもとに作成しています。
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